企業主導型保育園とは?メリットとデメリット、入園条件や無償化、従業員枠と地域枠について

最近街中で見かけたり、よく耳にする「企業主導型保育園」

そんな企業主導型保育園への入園を考えているママやパパも多いのではないでしょうか。でも、新しい制度の保育園なだけに、実はどういった保育園なのかよく知らなくて、我が子を預けても大丈夫かなと心配になったりしますよね。

そこで、今回は企業主導型保育園のメリット・デメリットや入園のための条件について紹介していきたいと思います。

企業主導型保育園とは?

簡単に言うと、職員配置や設置の基準が認可保育園と同レベルの保育園です。
内閣府が管轄しており、認可外保育園に位置付けられますが、保育の質を担保するために、設置に当たっては厳格な基準をクリアする必要があります。

そんな企業主導型保育園の特徴と現状は次のとおりです。

【企業主導型保育園の特徴】
・働き方に応じた多様で柔軟な保育サービスを提供すること
・複数の企業が共同で設置できること
・他企業との共同利用ができること
・地域住民の子供の受け入れが可能であること
・認可施設並みの助成を受給できること

【企業主導型保育園の現状】
制度が始まってから助成決定された企業は、
平成29年3月時点・・・871施設
平成30年3月時点・・・2597施設
平成31年3月時点・・・3817施設

となっていて、どんどん新しい企業主導型保育園ができているのがわかります。

従業員枠と地域枠とは?

企業主導型保育園は、保育の必要があれば誰でも利用できるのですが、「従業員枠」と「地域枠」という定員枠の決まりがあります。
つまり、保護者が就労(又は就労予定)していて、次のいずれかに当てはまれば企業主導型保育園を利用できます。

【従業員枠】
①企業主導型保育園を設置した会社の従業員の子ども
②提携している法人の従業員の子ども
※①②いずれの「従業員」も非正規労働者を含みます。

従業員枠だと保育料の割引を受けられたり、優先入園できる場合があります。

【地域枠】
・従業員枠の子ども以外の子ども
※園によっては「保育認定(支給認定)」を要する場合があるほか、保育料無償化の適用を受けるためには「保育認定(支給認定)」が必須です。

地域枠は最大で全定員の5割となっているので、全定員に空きがあっても地域枠に空きがなければ入園できないことがあります。その場合は、お勤め先に共同利用提携をしてもらうことにして、従業員枠で入園する方法もあります。共同利用提携の方法については保育園に確認してみましょう。

<引用>内閣府ホームページ(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/links/index.html)「企業主導型保育事業チラシ」より

企業主導型保育園のメリット

企業主導型保育園のメリットとして挙げられるは次のとおりです。

・職員配置や設備面が認可保育園と同レベル
・認可外保育園より保育料が安い場合が多い
・無償化の適用もある
・正社員でなくても預けやすい、就労予定でOK
・認可保育園にはない独自サービスあり

それでは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

職員配置や設備面が認可保育園と同レベル!

企業主導型保育園は認可保育園と同じく国から助成金を得て運営されているので、保育園の職員配置や設備面について厳格な基準があり、その基準は認可保育園と変わらないレベルとなっています。

内閣府が公表している基準表は次のとおりです。

<引用>内閣府ホームページ(https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/ryouritsu/pdf/jisshi_gaiyou.pdf)より

「事業所内保育事業」というのは企業が設置する「認可」保育園になるのですが、この表を見ると、その企業主導型保育園は事業所内保育園(認可保育園)と同じ基準になっていることがよくわかると思います。

認可外保育園に比べて保育料が安い!そして、無償化の適用も!

企業主導型保育園の保育料は次の額を原則とするように一定の基準が設けられていて、認可外保育園(5万~10万が一般的)に比べて保育料が低額です。

・4歳以上児-27,600円
・3歳児-31,100円
・1,2歳児-37,000円
・0歳児-37,100円

<引用>児童育成協会ホームページ(https://www.kigyounaihoiku.jp/download-1)「企業主導型保育事業費補助金実施要綱」より

また、企業主導型保育園も2019年10月から始まった幼保無償化の対象施設となっています。
ただ、月齢や世帯状況などによって対象になる場合とならない場合があるので、注意が必要です。

具体的には次のように決まっています。


【正社員でなくても預けやすい!就労予定でも預けられる!】
認可保育園だと入園の選考には高い「指数」をもつ家庭が優先されるので、就労予定やパートタイムの人たちは認可保育園に入園させることが難しい現状です。しかし、企業主導型保育園は「指数」の高低は関係ありません。そのため、就労予定やパートタイムの人たちも気軽に入園できるわけです。

【認可保育園にはない独自の保育サービスあり?
企業主導型保育園は、市町村から利用者が割り振られる認可保育園と違い、利用者の獲得のために独自のサービスを打ち出している園が多いです。
インターナショナルスクール、リトミック、器械体操、少人数保育などの教育重視・保育重視の企業主導型保育園や、延長・夜間保育や一時・病児保育などのサービス面を充実させている企業主導型保育園も増えています。

企業主導型保育園のデメリット

魅力的なメリットがある一方で、次のようなデメリットがあるのも確かです。ただ、これらのデメリットは考え方ひとつでプラスに受け止めることもできますよね!

【新制度だけに、きちんと保育してもらえるのか心配】
設備や職員配置の基準は認可保育園並みですし、見学のときに園の雰囲気や職員の様子を十分チェックするなどして、安心して預けてよい保育園かどうかを自分の目で確かめましょう!

【園庭がない場合が多い】
企業主導型保育園は都市部にあることが多く、確かに園庭がないことが多いです。でも、近隣の公園やお散歩に行く機会が十分確保されていれば、もしかしたら園庭で遊ぶより楽しんでくれるかもしれませんね!

【園の閉鎖が心配(良くないイメージのニュースがある)】
定員割れ、事業閉鎖など好ましくないニュースがあるのも事実です。やっと入れた保育園だったのに、園側の都合で保育園が閉鎖するなんてことは勘弁してほしいですよね。ただ、園側の不都合を保護者が事前に見極めたり未然に防ぐことは困難でしょう。もどかしいところですが、こればっかりは「運頼み」の要素が大きいです。

企業主導型保育園への入園条件について

では次に、実際に企業主導型保育園への入園条件や流れを紹介します。

【入園条件】
先ほど、従業員枠と地域枠についてご紹介しましたが、就労(又は就労予定)していれば誰でも入園が可能な園がほとんどです(どっちの定員枠になるのかは園が決めることが多いです。)ので、まずは気になる企業主導型保育園に確認してみましょう。

【申込方法】
企業主導型保育園を利用したい方は、直接施設へ申し込むことになります。
なお、申込前に施設見学や説明会への参加が必須の園もあるので、まずは施設に電話をしてみて確認してみるのが確実です。

「保育園見学と電話のかけ方」についてはのこちらの記事を是非ご参考ください。

【入園までの流れ】
①問い合わせ(入園希望や空き状況を確認)

②施設見学・説明会

③施設に申込書提出

④入園前面談

⑤入園可否の連絡

⑥入園(慣らし保育)

他の認可外保育園への入園までの流れとあまり違いはないという理解でよいかと思います。

まとめ

今回は企業主導型保育園について取り上げましたが、いかがでしたか?

待機児童対策の目玉として始まった企業主導型保育園だけに、認可保育園並みの基準を備えていたり、保育料が割安だったりするなど魅力的な制度ではないかと思います。

新しい制度の保育園ですから、不安に感じることもあるかと思いますが、我が子を預けても安心といえる保育園かどうかは、実際に自分の目で確かめるのが最善です。企業主導型保育園への入園を検討されている方は、今回ご紹介したメリットとデメリットを理解した上で保育園見学に行ってみましょう

保育園見学のポイントについては、関連記事を是非ご覧ください。

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