認定こども園とは?1号認定区分、保育料と無償化、保育園や幼稚園との違いについて

保育園や幼稚園選びをしていると「認定こども園」という言葉をよく耳にしませんか?

認定こども園というからには子どもを預ける施設ということは容易に想像できるけど、具体的にどういった施設で、保育園や幼稚園とどこがどう違うのかよくわからなくてお悩みではないでしょうか?

今回の記事ではそういった悩みを解消できるよう、認定こども園の情報をまとめましたのでご覧ください。

認定こども園とは?

認定こども園は、教育と保育を一体的に行う施設で、簡単に言えば保育園と幼稚園の2つの機能を併せ持つ施設です。

そんな認定こども園には4つの種類があります。

<幼保連携型こども園>
幼稚園および保育所等の施設・設備が一体的に設置、運営されているタイプ

<幼稚園型>
認可された幼稚園が保育所的な機能を備えたタイプ

<保育所型>
認可された保育所が幼稚園的な機能(幼児教育)を備えたタイプ

<地方裁量型>
都道府県の認定基準により認定されたタイプ

2018年4月1日現在、この4つの種類のなかで一番多いのは幼保連携型で4409施設、続いて幼稚園型が966施設、保育所型が720施設、地方裁量型が65施設となっていて、合計で6160施設あります。2013年4月1日時点では合計1099施設だったので、5年で約5倍増加になっています。

1号認定とは?認定区分って何?

「認定区分」とは、年齢や保育の必要性によって区別される3つの支給区分のことで、次の3つになります。

認定区分 子供の年齢 保育を必要とする事由
に該当※
利用できる施設 預け時間
1号認定 3~5歳 なし ・幼稚園
・認定こども園
・教育標準時間
(4時間程度)
2号認定 3~5歳 あり ・保育園
・認定こども園
保護者の就労状況によります
・保育標準時間
(最長11時間)
・保育短時間
(最長8時間)
3号認定 0~2歳 あり ・保育園
・認定こども園
・地域型保育

※保育を必要とする事由は、就労、疾病、障害、妊娠、出産などが該当します。

認定こども園は無償化の対象施設です!!では、保育料は?

気になる保育料ですが、認定こども園も2019年10月から始まった幼保無償化の対象です。
では、無償化を適用した場合の認定こども園の保育料はどうなるでしょうか?

認定こども園の利用料は「認定区分」によって異なりますが、具体的には次のとおりになっています。

<1号認定>
すべての子どもを対象として、毎月の保育料が無償となるほか、月額11,300円まで預かり保育料が補助されます。

<2号認定>
すべての子どもを対象として、毎月の保育料が無償となります。

<3号認定>
住民税非課税世帯の子どもは、毎月の保育料が無償となります。
住民税課税世帯の子どもは、0~70,600円の範囲(大阪市の場合)で世帯の前年所得に応じて各自治体が決定します。

全ての認定区分に言えることですが、無償となるのはあくまで「保育料」です。例えば、入園料や送迎バス費用などの実費のほか園が個別に定める費用は無償になりません。

認定こども園のメリットとデメリット

認定こども園のメリットとデメリットは次のとおりです

【メリット】
・3歳以上の場合、保護者の就労の有無は関係がなく、たとえ仕事を辞めても退園の心配がない(1号認定に切替え)
・0歳から小学校就学前まで幅広い年齢の子どもが同じ施設で過ごすので、異年齢交流や社会性が身につく
保育と教育の両方を受けれられる
・子育て支援の施設でもあり、一時保育が可能な場合がある

【デメリット】
・教育時間のための費用がかかることがある
・幼稚園から移行した園だと、平日の行事が多い場合がある

<注目コメント>
認定こども園で、教育と保育を一体的に行うといっても、教育と保育は似て非なるものです。
その園がそもそも保育園だった場合は、保育園色が強い園となり、保育園の先生の発言力が強かったりします。逆に幼稚園だった場合は教育色が強く、幼児がメインで乳児は重要視されないなどの違いがあります。といった風に0~2歳(乳児)と3~5歳(幼児)に派閥ができたり待遇に差がある事が多いです。

教育に力をいれつつ、保育にも力を入れるというのは預かる時間の違いもあり、難しい所です。教育は9時から15時に行い、保育は7時から19時あたりまで行います。
つまり、教育をする先生が中番として9時から勤務をし早番(7時~)や遅番16時以降は保育として他の先生がサポートします。この体制作りが難しくて苦労することが多いです。

認定こども園を利用するには?

認定こども園を利用する場合も、前述の認定区分によって申込手続が異なるので注意が必要です
詳細は次の図のとおりです。

保育園・幼稚園との違いは?

認定こども園と保育園・幼稚園との違いをまとめた一覧表が次のとおりです。

認定こども園 幼稚園 保育園
管轄 内閣府 文部科学省 厚生労働省
設置目的(根拠法) 幼保一体型施設
(就学前の子どもの教育・保育等推進法)
教育施設
(学校教育法)
福祉施設
(児童福祉法)
対象年齢 0~5歳 3~5歳(2歳児受入園もあり) 0~5歳
教育・保育時間 1号認定:9~14時頃
2号、3号認定:7時30分~19時頃
9~14時頃(以降は預かり保育) 7時30分~19時頃(以降は延長保育)
長期休園 無し 有り(春休み、夏休み、冬休み) 無し
給食の有無 児童の認定区分によるが
提供されるケースがほとんど
任意 義務
月額利用料
(2019.10~)
0~2歳:住民税非課税世帯のみ無償
それ以外は自治体が決定
3~5歳:無償
無償 0~2歳:住民税非課税世帯のみ無償
それ以外は自治体が決定
3~5歳:無償
入園条件 認定こども園の種類によって条件異なる なし 就労、疾病などの
保育が必要な事由があること
入園申込時期 1号認定:9月~11月頃
2号、3号認定:12月頃
9月~11月頃 12月頃
入園申込方法 幼保連携型、保育所型
⇒市町村の担当窓口又に提出
幼稚園型
⇒直接園に提出
幼稚園に直接 市町村の担当窓口・保育園
教育・保育内容 幼保連携型認定こども園教育・保育要領
幼稚園教育要領・保育所保育指針
幼稚園教育要領 保育所保育指針
先生の資格 原則、幼稚園教諭免許、保育士資格の両方 幼稚園教諭免許 保育士資格

まとめ

いかがでしたでしょうか?

認定こども園は教育と保育を一体的に行う施設で、幼稚園と保育園の両方の機能を有しています

幼稚園や保育園と違う部分もいくつかあって、自由保育を中心に行っている園や、読み書き計算などの教育を重視している園など、その園風や特徴がはっきりしていることもしばしばで、良し悪しがあるのも確かです。

保活の選択肢が増えるのは素直に歓迎できるところですが、我が子の成長に合う施設かどうかは実際に自分の目で確かめるのが最善です。今回ご紹介した認定こども園の特徴や幼稚園や保育園との違いなどを理解した上で見学に行ってみましょう

保育園見学のポイントについては、次の記事を是非ご覧ください。

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